Liner Notes
こぶしファクトリー
「ナセバナル」
作曲を担当させていただきました。
この曲は、先に書かれた歌詞に後からメロディを乗せていく「詞先」での作曲です。
演歌や歌謡曲においては詞先の作品が多数を占めているそうですが、ポップス作品は「曲先」がほとんど。
現に僕自身も詞先の仕事は初めてだったので、まずそこに新鮮さとやりがいを強く感じました。
そしてこの頂いた歌詞が、「残酷な天使のテーゼ」等を書かれた、日本を代表する作詞家である及川眠子さんの歌詞であること知り、ますます身の引き締まる思いで作曲いたしました。
曲に関してはある程度の方向性は指定されていたものの、なによりも言葉の抑揚に出来るだけフィットするようなメロディーを心掛けました。
語るように歌うことの出来るメロディー、主役である歌詞を引き立たせるような脇役的なメロディーを意識しました。
編曲は「シャララ !やれるはずさ」でもお世話になった宮永治郎さんです。
こぶしファクトリーの熱いバンドサウンドを支える要であり、魂を震わすギタリストです。
美しい生のストリングスと絡み合う激しいギターソロも必聴です。
そしてこの曲で最も聴いて欲しいのは、こぶしファクトリーの芯が通った屈強な歌声です。
弱くても強くありたいと願う主人公の叫びを歌でちゃんと表現しよう、そんな彼女達の心意気を感じました。
音程的にもギリギリの所を攻めていて、ゆったりした曲調ですがRockしていますね。
これからも彼女達には、熱く現在を歌っていってほしいと思います。
星部ショウ