作曲を担当させていただきました。
「踊れるインドPOPsで一曲!」というお題を頂き、昨年末から制作に取りかかりました。
まず現在のインド国内ヒットチャートを賑わす楽曲群を一通りチェックしたのですが、まぁ癖があってすぐハマりました!
そしてビートやシンセの音使いも非常に今っぽく洗練されていて、とにかくカッコいい!
インドPOPsに対して勝手に抱いていた「イナタい」イメージがガラリと変わりました。
そんな刺激的なインプットを経て曲を作り始めたのですが、なんかどれもこれもシックリこない。
本場の香辛料の効いたスパイシーなカレーを作りたいんだけど、出来上がるものは全部リンゴとハチミツが効いている感。
それはメロディーやコードが一因ではあったのですが、そこを修正してもまだスパイシーに出来ない。
色々試した結果、スパイシーにするための一番重要な要素は「歌そのもの」でした。
こんな簡単なことに意外と気がつきませんでした。
現在のインドPOPsには流行りのEDM的な楽曲も沢山あるのですが、どの曲もきちんとスパイシーに仕上がっている。
それは何故かといえばシンガーの歌い回しや譜割そのものにすごく癖がある、故にスパイシーなインドPOPsになるのだと理解出来ました。
通常だと楽曲デモを提出する際は僕が仮歌入れて、それを女性仮歌の方が歌い直したデモ音源がメンバーに渡されます。
でも今回は僕が仮歌の段階でかなりスパイシーなビブラートやコブシを入れて歌ったので、その音源をそのままメンバーに覚えてもらいました。
特にAメロやBメロあたりの歌い回しは、かなり癖強めに歌ってもらっています。
結構歌うの難しいかなと心配していましたが、さすがアンジュルム!ちゃんとイメージ通りスパイシーになりました。
個性的な声質のメンバーが多いアンジュルムなので、歌が入るとさらに複雑な味わいに。
例えば1番Aメロ「恋があたしの~」の船木さん、2番Aメロ「なんて思いながら~」の川村さん。
同じメロディーを歌っていても全く違う印象になるのは、対照的な声質故のマジックですね。
太田さんと伊勢さんの若々しい歌声もアクセントになっていますし、和田さんのソウルフルなビブラートも効いている。
笠原さんの「踊りたいの!」も声質的に明るく勢いが感じられる歌声で、ラストサビへ向かう強力なブースターになりました。
とにかく!全メンバーの声の相乗効果でスパイシーかつ奥行きのある、一度食べたらやみつき、そんな曲に仕上がったと思います。
個性的でアッチャアッチャな歌詞は児玉雨子さん。
これからもこんな「意☆味☆不☆明!」な世界観を共に作り上げられたら、世知辛い世の中の癒しになると思うし、何より楽しいですね(笑)
編曲は平田祥一郎さん。
とにかくこの曲のインストはマジでヤバいです!大っきい野外フェスとかで爆音でサウンドを浴びたい気分です。サイコーです!
MV DirectorはZUMIさん。
頭を空っぽにして笑顔になれる、そんなMVをありがとうございました!
ということで非常に長文になってしまいました。
書きながらテンションが上がってきてしまったので、ここでお開きとさせていただきます。
またこんな楽しい気分になれる楽曲が書けるよう、粛々と仕事します。
星部ショウ